トジョン・イ・ジハムとは
生い立ちと経歴
トジョン・イ・ジハムは1517年、朝鮮中宗12年に全州で生まれました。幼い頃から学問に優れ、特に易学と天文に深い関心を示しました。
青年期には科挙に合格し、官職に就きながらも占術の研究を続けました。当時の朝鮮社会では占術が重要な地位を占めており、トジョンはその分野で卓越した才能を発揮しました。
晩年には官職を辞し、故郷の全州に戻って後進の指導に専念しました。この時期に『トジョンビギョル（土亭秘訣）』を著し、500年の伝統を後世に伝えました。
1578年、62歳でこの世を去りましたが、その教えと占術は現在まで受け継がれ、韓国占術の最高峰として位置づけられています。
故郷・全州
全州は韓国全羅北道の道庁所在地で、古くから学問と文化の中心地として栄えました。
トジョン・イ・ジハムが生まれた全州は、朝鮮時代の儒学者や文人たちが多く住む文化的な都市でした。
この地の学問的雰囲気が、トジョンの占術研究に大きな影響を与えたと考えられています。
墓所と記念碑
トジョン・イ・ジハムの墓は全州にあり、現在も多くの人々が参拝に訪れています。
墓所には彼の功績を称える記念碑が建てられ、その偉大な業績が刻まれています。
毎年、占術師や研究者たちが墓前に集まり、その教えを継承することを誓っています。
墓所は韓国の文化財として保護されており、歴史的価値が認められています。
伝説と逸話
王の夢を解いた話
ある日、朝鮮王が不思議な夢を見ました。トジョン・イ・ジハムはその夢を正確に解き、国の未来を予言しました。その予言は的中し、王は大変驚いたと言われています。
農民を救った話
大旱魃の年、農民たちが困っているのを見たトジョンは、雨乞いの儀式を行いました。すると翌日から雨が降り始め、農民たちは救われました。
弟子への最後の教え
死の床で、トジョンは弟子たちに「天は自ら助くる者を助く」という言葉を残しました。これは人間の努力と善行の重要性を説いた教えでした。